セミリタイアするまで非正規

正社員になれないことが分かった三十代。労働者のままでは死にかねないので、非正規のままセミリタイアを目指している、色んな意味で駄目なヤツ。

読書・ゲーム

『手塚治虫物語』で本物の天才を知る

mangapedia.com 『手塚治虫物語』という漫画を読んだ。伝記のようなもので、ヒゲオヤジと一緒に手塚治虫の人生を見ていくもの。漫画を趣味にしたいけど何を読もう?と思ったら、この人は外せない。 この人、運動音痴だったみたいだけど、体力が凄まじい。何…

私にとっての『ポケットモンスター』は、現実にない「自由」を描く作品

アニメ版ポケットモンスターの主人公サトシが、とうとう降板になる。 年明けの1月13日から「サトシとピカチュウの物語、最終章」11話を放送してフィニッシュのようだ。 サトシとピカチュウの物語をずっと観ていました ポケモンのアニメは、1997年から放送さ…

『ひきこもりの国』 日本がひきこもり先進国になった理由

いつも読んでいるセミリタイアブログの人が勧めていた本。 日本には何故ひきこもりが多いのか?を、米国のジャーナリストが外国人の立場から考察している。 欠点としては情報(出版年)が古く、あくまで2007年時点のデータを基にした考察である、ということ…

『方丈記』 古典の名著だけど、読む人をかなり選ぶ

セミリタイア界で、しばしば話題に上がる『方丈記』を読んだ。ちくま学芸文庫版は、東大出身の文学教授の解説付きである。 ゆく河のながれは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消え、かつむすびて、久しくとどまりたるため…

『賃金破壊 労働運動を「犯罪」にする国』

関西生コン事件のルポルタージュ。 恥ずかしながらこの事件を知らなかったのだけれど、テレビやニュースで報道されてました? 専門用語や業界用語が多くて、ちょっと読むのが大変だったけど、一般的には暴力団体として報道されている「連帯労働組合関西地区…

ファイアーエムブレム風花雪月 紅花ルート・ルナティックの記録②

ということで、紅花ルートのルナティックをまたクリアしたので、軽く雑談。 今回は得意技能以外は戦闘で使用禁止という、ゆるい縛りでプレイ。クラスチェンジや技能習得のための、名声値使用はOKにした。 ※ネタバレ全開のため注意 で、今回チャレンジしたの…

『人間関係を半分降りる ――気楽なつながりの作り方』 「人間は素晴らしくない」という生き方・考え方

社会不適合者的な著作を発行したり、講演やインタビューを行っている鶴見済さんの新刊。近所のTSUTAYAには取り扱いがなく、2軒目の紀伊国屋では売切れており、3軒目のブックファーストでようやく見つけた。 タイトル通りの内容で、人間関係には友人、家族、…

『欲しい!』はこうしてつくられる 脳科学者とマーケターが教える「買い物」の心理

消費者の脳はモノを買うとき、どんな反応をしているのか。 消費者にモノを買わせるために、企業がどんなマーケットを行っているのか。 を解き明かす一冊。 ブランディングは「つながりをつくるための活動」 本書ではブランディングを、「つながりをつくるた…

『差別の日本史』を読んだ 「土地神話」の強さと、性差別問題の難しさ

日本で生じていた(生じている)差別の歴史についての本。 日本史でも習った奴婢や穢多・非人のことから、女性差別やLGBTまで浅く広く扱っている。文章に(おじさんならではの)クセが少々あるけど、読みやすいと思う。 現在の非正規労働と、かつて日本の奴…

『三体』を読んだ

しばらく『三体』を読みふけっていた。図書館で1部~3部まで全部借りて、2週間くらいで読了。 地球が宇宙人に侵略されたり攻撃されたりする話だけど、地球外生命体の文明や技術はもちろん、宇宙的危機下に置かれた地球の技術や生活はどうなるのかっていう…

ファイアーエムブレム風花雪月 紅花ルート・ルナティックの記録

スピンオフの無双が発売されたばかりのFE風花雪月。 FXで稼げるようになったら、真っ先に買おうと思っているゲームの一つである。 しかし!風花雪月のオリジナルも、まだまだ現役! 私は2年前に借りて遊んでからハマり、自分用のソフトを購入し直してから500…

『ピグマリオン』 - 「中産階級」は勝ち組なのか、奴隷なのか?

kindle unlimited で、バーナード・ショーの『ピグマリオン』を読んだ。 脚本形式なので、登場人物同士のリズミカルでユーモアある掛け合いが面白い。 言語学者が(実験感覚で)下町方言丸出しの礼儀の「れ」の字も知らない花売り娘を侯爵夫人として社交パー…

フォークナーの『八月の光』を読んだ - 歴史に縛り付けられた人々の孤独、社会の混沌

kindle unlimited で、光文社の古典新約文庫を読むのにハマっている。 労働者時代も実用書はよく読んでいたが、小説を読む機会がめっきり減っていた。古典も殆ど読んでいないと思う。フと、急にこれらが読みたくなって目を通し始めたのだけれど、なかなか夢…

『人間不平等起源論』を読んだ ― 「野生」が最も平等で幸福な人間の姿?

フランスの哲学者ルソーの著作で、アカデミーが募集した「人々の間における不平等の起源は何であるか、そしてそれは自然法によって容認されるか」を主題とする懸賞論文に投稿したもの。 名前の通り、不平等の起源について書かれているんだけど、これが現代社…

教科書より分かりやすいなら、漫画で勉強してもいいじゃない

Kindle Unlimited で日本史の勉強をしようと思って、小学館の歴史漫画を読んでいた。(ちなみに、著者のつぼいこうさんは学習漫画を複数手掛けていたが、2018年に亡くなっている) 「きのうのあしたはきょう」がキーワードで、歴史の流れが分かりやすい。 歴…

kindle unlimited でロシア史のお勉強

kindle unlimited で「ロシア 歴史」と検索して出てきた本を読んだ。 まずは、『大尉の娘』。プーシキンの超有名小説。実際にプガチョフの乱(1773~75年)の資料を基にして書かれたもの。 登場人物が個性豊かで面白い。人間臭いプガチョフ、分かりやすい悪…

『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか』を読んだ

話題になった『ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論』(以下『ブルシット・ジョブ』)を訳した酒井さんが、原著の内容を分かりやすくまとめたもの。 『ブルシット・ジョブ』の著者であるデヴィッド・グレーバーは2020年に亡くなってしまったが、…

『本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ』を読んだ

購読させていただいているブログで紹介されていたので読んでみました。 著者のコウケンテツさんはyoutubeでレシピを公開していて、簡単に美味しく作れるものが多い。私も助かっている。 コウケンテツさんは海外の食文化を勉強したり、講演で色んな人の意見を…

『データで読む日本政治』

日経新聞の『データで読む日本政治』を読んだ。 その名の通り、日本の政治に関する色んなデータが、グラフ入りで読みやすく解説されている。この読みやすいがポイントで、「政治のこと勉強しなきゃだけど、面倒だなー」という人にピッタリなんです。さすが、…

入浴剤と漫画の話

実家に戻ってからは、一人暮らしの時みたいにシャワーだけでなく、湯船にも浸かっている。せっかくならと買ってみたクナイプのお試しセットが良かったので、一番気に入った「Gute Nacht」をボトルで買ってみた。 ホップとバレリアンの柔らかな香りと、夜空を…

『天才たちの人生図鑑』を読んだ

歴史教師とyoutuber をやってる人が監修した、『天才たちの人生図鑑』を読んだ。私は読んだことないけど、『一度読んだら絶対に忘れない』の歴史シリーズを書いてる人でもある。 過去の偉人たちがイラストと解説で紹介されている。このイラスト付き人生図が…

『カーボンニュートラル超入門』読んだ

図書館で借りた『カーボンニュートラル超入門』を読んだ。最近「脱炭素」と言う言葉をよく聞くので勉強してみた。 「カーボンニュートラル」とは、温室効果ガスの排出量と吸収(除去・再利用も含む)量が等しいこと。排出を無くすのではなく、出した分を無か…

『スマホ脳』― 誰が為のテクノロジーか

出版:2020年 著者:アンデシュ・ハンセン ― スウェーデンの精神科医。『一流の頭脳』というベストセラーがある。そっちだと名前がアンダーシュ・ハンセンになってるんだけれど、どっちが正しい発音なのだろうか。 概要 スマホが脳に与える悪影響に関する啓…

『失われゆく仕事の図鑑』

今は無い仕事や、無くなりそうな仕事の図説。当時の写真や思い出話が色々と載っていて、一昔前の日本文化を知りたい人にお勧め。文章担当が数人いるせいで、文体が統一されてないのが難点。貴方の独り言じゃなくて、当時の日本の話が聞きたいんですけど… と…

『養生訓』江戸時代の本草学者が語る、(一部)令和時代にも通用する健康指南書

出版:1712年(今回読んだのは2020年に中公文庫から出版された翻訳版) 著者:貝原 益軒(かいばら えきけん) ― 福岡藩の本草学者(主に中国の医学に精通する学者)および儒学者。 概要 著者の貝原益軒は小さい頃から病弱だったため、頑張って勉強して偉く…

『マルガレーテ・シュタイフ テディベア 神さまからの贈り物』彼女が引き籠っていたら、テディベアは誕生しなかった

出版:2010年 著者:ウルリケ・ハルベ・バウアー 氏 ― ドイツ語と歴史の講師を務めつつ、伝記小説数作を手掛けるドイツ人。 前職でシュタイフ社の限定テディベアを扱ったときに、シュタイフの創業者に興味が湧いたので借りてきた。シュタイフ社の創業者であ…

ドラゴンクエストビルダーズ2の感想文:壊す楽しみ、破壊の必要性

www.dragonquest.jp ゲームの住人が、自分の作った街で自分の思い通りに生活してくれる。そして、その世界は自由に破壊することが出来る。一見、相反する二つの要素を取り上げたのが、『ドラゴンクエストビルダーズ2』というゲームだ。 前作の『ドラゴンクエ…

『杜子春』 あなたにとって「人間らしい、正直な暮し」とは何ですか?

※小説の感想文なので、ネタばれ注意 www.aozora.gr.jp 著者:芥川龍之介 執筆年:1920年、児童雑誌『赤い鳥』に掲載。短いし子供向けなのでサラッと読める。

『結局、自分のことしか考えない人たち』 パーソナリティ障害に対処するだけでなく、その理不尽さを理解したい人に

出版:2020年2月 著者:サンディ・ホチキス氏 ― 心理学博士、精神分析医、後任臨床ソーシャルワーカー。セラピストの活動歴は30年以上で、専門はパーソナリティ障害。 パーソナリティ障害以外の人たちに向けた邦題となっているが、原題はパーソナリティ障害…

『人間使い捨て国家』 ブラック雇用のカラクリ紹介本

出版:2019年12月 著者:明石順平さん ― 労働事件を専門とする弁護士。ブラック企業被害対策弁護団の事務局長。『アベノミクスによろしく』の著者でもある。 日本国内の労働環境について、労働法・実例・政治関係(主に自民党)の観点から解説。自民党や経団…