セミリタイアするまで非正規

正社員になれないことが分かった三十代。労働者のままでは死にかねないので、非正規のままセミリタイアを目指している、色んな意味で駄目なヤツ。

コロナで露呈した、資本主義的都市文明の弱点

news.yahoo.co.jp

 

人類学者を研究されている、長谷川眞理子さんという方へのインタビュー記事。テーマの割に文量が少ないせいか、色んなテーマを浅く広くな内容。でも資本主義や日本の弱点をついている。

 

長谷川さんによると、今回のコロナショックは、グローバル化が本格化してから先進国とされる国々の都市で発生した最初のパンデミックとのこと。名前だけは知られているエボラ出血熱などは、私たちにとって「対岸の火事」にすぎなかったとして、以下のように指摘している。

人が世界中どこにでも、野放図に移動するようになりました。これは行きすぎで、おかしいことだとずっと言われてきましたが、本気にしてこなかった。そうやって文明をまわしていくことでお金が儲かるからですよね。経済を優先して、地球環境問題はつねに先送りにしてきた。それをグレタ・トゥンベリさんは怒ったわけでしょう?(記事より抜粋)

同じことをグレタさんが主張していたことは、私もよく覚えている。(彼女の正体はよく分からないけど…)人間は環境よりも経済を選択し、歴史はそのように動いている。その流れは順調に加速し続け、人間は自然ではなくカネとコンクリートの中で生きる生命体へと進化を遂げるはずだった。自然環境がいくら破壊されようと、経済が破壊される方が自分たちの命に係わる… という「建前」で。しかし、今や本能的ともいえるその「建前」が、資本主義を牽引している人々の間で、これほどの大規模で脅かされるのは経済歴史上で初めてのことなのかもしれない。

正直、この程度で資本主義が崩れるとは思ってない。極端な話をすれば、1人の資本家が生まれてから死ぬまで資本家でいられるだけのカネを、労働者が生産して資本家に供給できれば資本主義は成り立つからだ。コロナが収まれば私を含め殆どの人々は、資本家のために資本を生産する労働者へと、自ら進んで戻るだろう。

しかし、今回の出来事は労働者としての人生に対する疑問を増幅させ、少しでも早く労働者人生を終わらせたいと奮起させるには十分すぎる出来事だった。セミリタイア後にどんな人生を送りたいか、より具体的に描けるようにもなった。とりあえず、自給自足のための土地がある場所には住みたい。食糧に関しては割と本気で心配していたし、今でも心配だからだ。長谷川さんも記事の最後で「全部忘れて元に戻ることはできない」と述べているが、「忘れられない」といって嘆くのではなく、「忘れない」努力が必要だと思う。こんだけ資本主義社会をかき乱してくれたんだから、コロナから何も学ばず元の資本主義生活に戻るなんて勿体ない。

 

その他には、情報社会の欠点も挙げられている。人間同士が信頼し合うきっかけはITでは得られないこと、デジタル情報の偏りが人間の本能的な行動を左右することへの指摘などは、人類学者らしいなと思った。コロナで「繋がり」が叫ばれているのも、これを本能で感じ取っている人が多いせいかも。ただ、一番のパワーワードは最後のこれ。

私も含めてだけど、年寄りはもうダメだと思う。特に年寄りの男の政治家は、どうせいままでの思考形態を変えないし、いままでどおりの枠組みしか思いつかないから、文明の方向を変えようということには思い至らないと思う。やはり、いまの若い世代が何を選択するかにかかっているのではないでしょうか。(記事より抜粋)

よくこんなの記事にできたな~、掲載されるメディアによるんだろうか?

それはさておき、現役で活躍されている方が(しかも人間そのものを研究している人が)言うと、妙な説得力がある。が、私は文明だろうが運命だろうが何かを変える力に年齢はあまり関係ないと思う。若い方がパワーそのものはあるかもしれないけど、そのパワーを活かす手段は年を取った方が断然ヒラメキやすい。私がセミリタイアに舵切りした年齢だって若くはないし(30手前)、年取ってから大成した人だっているし、令和テクノロジーで寿命が伸びてるのにノビシロは縄文時代だなんて哀しすぎる。ヒラメカないという人は、単純にその必要が無いか、もしくは怖がっているだけじゃないかな。それこそ、「年寄りの男の政治家」のように。

 

10mtv.jp

「テンミニッツTV」というサイトで、長谷川眞理子さんの講義をオンラインで拝聴できる。但し、月1500円くらいの登録料が必要。(最初の1か月は無料)このサイト、色んな専門家が講義を開設しており、一月1000円代で聴き放題は(講義の内容によるけど)すっごく安いと思う。ただ、今は登録料と時間を使うなら、セール中のアマゾンキンドル読み放題の方かな…

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村