セミリタイアするまで非正規

正社員になれないことが分かった三十代。労働者のままでは死にかねないので、非正規のままセミリタイアを目指している、色んな意味で駄目なヤツ。

「こうのとりのゆりかご」を知った

news.yahoo.co.jp

コロナによる休校の影響で、中高生の妊娠が増えているという。慈恵病院に寄せられた今年4月の中高生からの妊娠相談は75件で、前年4月の58件等と比較しても「私たちは「多い」と感じます。」とのこと。

件数だけだと20件も増えてないので、この増加率を「多い」と感じるかどうかは人それぞれだと思うけれど、現場の方が「多い」と言うので多いということにする。慈恵病院(の取組)を知らない人も多いだろうし。

同様の指摘は実は先月くらいからチラホラと見かけていた。中高生の妊娠が増えた理由としては、通学やバイトの時間が無くなり、特に勉強する必要のない子供は恋人と過ごす時間が増えたことが原因らしい。ただ、異性のパートナーを持ったことがない私からすると、恋人と過ごす時間→生殖行動、の矢印の部分が色々と飛び越えてるようにしか見えなくて、何が起こっているのか理解できない。ベッドの上じゃなくても、恋人同士が過ごす手段はいくらでもあるからだ。某掲示板では「生命の危機を感じた動物が子孫を残したくなるのは自然」という意見があって、まあ要するにそういうことなんだろう。まだ若いのに、それほどのパートナーに巡り合えるとは素晴らしい。

 

ただ野生の世界とは違って、人間社会での若すぎる出産は課題も多い。そんな人たちを受け皿となっているのが、記事になっている慈恵病院。名前しか知らなかったが、熊本県にあるんですね。

ここは相談受付だけでなく、「こうのとりのゆりかご」という取組も行っている。恥ずかしながら、この名称だけだと私はピンとこなかった。いわゆる「赤ちゃんポスト」だ。しかし、慈恵病院側は「赤ちゃんポスト」という言葉を使っておらず、むしろその呼称に否定的な立場を取っている。

www.m3.com

 

「こうのとりのゆりかご」の成り立ちについては、公式ページに詳しい。

ninshin-sos.jp

 

ドイツの「ベビークラッペ」という社会システムを日本にも、ということで始まったとのこと。慈恵病院は「こうのとりのゆりかご」の案内ページに、

利用する前に、もう一度良く考えましょう。

と大きく掲載している。母親同様、胎児にも人権があるとされる「ベビークラッペ」の信念を守っているからだろう。一方で、「赤ちゃんポスト」の設置当時は無責任な児童遺棄を指摘する声がテレビで紹介されていたことを覚えている。設置後も、「赤ちゃんポスト」を誤解させかねないテレビドラマが放送されたり、自分の親を知る権利の侵害への指摘など、問題は残っているとのこと。

 

何で「こうのとりのゆりかご」という名称を知らなかったことが恥ずかしいかと言うと、慈恵病院のこの取組を、「ベビークラッペ」の信念を引き継ぐ「こうのとりのゆりかご」としてではなく、様々な問題を抱えた「赤ちゃんポスト」という認識でしか捉えていなかったからだ。(当時のマスコミの報道にも問題はあったのだろうが)

私には子供がいないし、子持ちになる予定もないので、取組の是非については一切口を出す権利はない。しかし、子供を育てるか諦めるかという重大な決断を支援する社会システムへの誤解は、そのまま、「こうのとりのゆりかご」の利用者や運営者への誤解に繋がりかねない。

個人的には、学校が無くなってハッチャケちゃった中高生に興味があって目を通した記事だけど、また一つ認識を改めることが出来た。

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村