セミリタイアするまで非正規

正社員になれないことが分かった三十代。労働者のままでは死にかねないので、非正規のままセミリタイアを目指している、色んな意味で駄目なヤツ。

高性能、だけでは勝てない

toyokeizai.net

 音響機器メーカーのオンキヨーが破産したらしい。

 IR情報によれば、事業売却が難航したことによる債務超過と、半導体不足が大きな原因らしい。需要減で経営難になったところをコロナでトドメ、のパターンだろうか。

 

 私自身は音楽の知識がまっったく無いんだけれど、リサイクルショップでバイトしてた頃は、オンキヨー製品を取り扱うことが多かった。素人耳にも「あ、音が全然違う」と分かるような商品が多かったと思う。欠点は、高くてデカくて重いこと。 

 想定される客層としては、本当に音楽が好きで、耳に届く音にもこだわりがあって、そういう音が楽しめる空間を所有していて、アンプとかスピーカー等の音響システムを一式揃えられるだけの収入もある、といったところか。

 …って、日本にそんな人どれだけ残ってんの!!?

 いま売れている音響機器は、音楽に大量の時間(資本)を投入することはできない(or そこまでする気はない)けど、音楽は好きだからちょっと音質にこだわってみたいなあ~、という人たちをターゲットにしているのだと思う。ヨドバシでも売れ筋はイヤホンやヘッドホンや小型スピーカーだし。

 でも、オンキヨー製品は、そういう「一般人」向けではない。音楽や音響機器に対する深い知識、広い住居、高額の収入。この3つをクリアしないと、真価を発揮しない。私もよく分からないんだけど、大きなアンプやスピーカーやレシーバーを全部揃えて繋がないとダメなんだってさ。

 

 というわけで、資本を使う対象はどんどん増えているのに、入ってくる資本の量が(相対的に)どんどん減っている多くの現代人には、手に負えない。実際に使ってみたら欲しくなる人は、たくさんいると思う。でも、買えない、置けない、ではどうしようもない。

 ついでに書くと、音響機器一式を揃えると大きいモノが増えるのも不利だと思う。現代人は持ち物を減らす傾向にあるし、少なくともミニマリストには買いづらい。

 

 HPを見ると、サマンサタバサとコラボしてワイヤレスイヤホンを出したりしているので、ポータブルオーディオに舵きりできれば、また違ったのだろうか?オンキヨーはブランドが強いから、他のブランドともコラボしやすそうだし。

 高性能もいいけれど、実際に買うのは(高)性能+α。今は、そういう時代。

 

 オンキヨーで働いてた人たち、音楽の知識が豊富だろうから、他の会社で活躍できればいいのにな。