セミリタイアするまで非正規

正社員になれないことが分かった三十代。労働者のままでは死にかねないので、非正規のままセミリタイアを目指している、色んな意味で駄目なヤツ。

資本主義は「消費」と「ゴミ」の経済

ブランド服のセールイベントに行ってきた。価格は最高でも2000円。(確か)7500円以上の服はすべて一律で2000円。8000円でも18000円でも2000円。定価がもっと安い服は、500円、1000円、1500円もある。普通に考えたら興奮してしまうような値引き額だった。

突然の吹雪という悪天候にもかかわらず、会場にはたくさんの買い物客がいた。残念ながら私が気に入ったブランドはなかったが、好きなブランドがある人ならば大興奮間違いなしだろうな、とは思う。一緒に行った友人もたくさん買ってたし。

それにしても、90%以上の値引きとは… 大手メーカーから出る売れ残りの服は、焼却処分にも莫大なコストがかかるという。だったら売った方がマシというわけだろうか。それに、今年の冬は天候が滅茶苦茶なせいか、消費税10%のせいか、服の売れ行きが悪い(と、百貨店勤めの友人が嘆いていた)。捨て値でもいいからカネになるなら… という服はたくさんあるのだろう。

会場で改めて感じたが、やはり人間は服を作りすぎだ。余所にお客を取られないためだけに作られたんだろうな、といった似たような服が大量にあった。商品を実際に手に取って見てみたけれど、人件費が安い国で製造されたペラペラの服もたくさん。さすがにデザインはブランド物だけあってユニクロよりは凝っているもので、今回のような処分価格なら買ってみたいものは何枚かあったが、あれを数千円は… うーん、ちょっと、私には分からない。好きな人には申し訳ないが。(そういう私も、トレーディングカードという絵が描かれただけのペラ紙に何万円も注ぎ込んでいるのだから、お互い様だ)

本来の役割よりも遥かに短いスパンの「消費」目的で作られた服たちが、売れ残ると厄介なゴミ扱いされて、実際に厄介な社会問題になっている現状。止めたくても、資本主義である以上、モノをどんどん作り続けなくてはいけない。トレーディングカードの世界もそうだが、資本主義は「消費」と「ゴミ」ありきの経済だ。服のブランド一つ一つが独自のデザインをもっていて、必要とされる分だけ作るようにすれば、ゴミが減るのはもちろん、服のことがよく分かんない人でも服選びが楽しくなっちゃうような世界になる気がする。もちろん、そんな世界になればブランドの数が激減して値段も跳ね上がるだろう。しかし現実の服は、たくさん「消費」できる価格で1シーズン経てば「ゴミ」にもできる、資本主義の見本市ともいえるものとなった。客がそういう服を求めるから、ブランドはそういう服を作る。ただ、それだけのこと。

私が想像する理想の服ブランドって現実ではディストピアなんだろうなー、と思う。つくづく、資本主義が向いてない性格らしい。トレカ買うのも疲れてきちゃったし。