セミリタイアするまで非正規

正社員になれないことが分かった三十代。労働者のままでは死にかねないので、非正規のままセミリタイアを目指している、色んな意味で駄目なヤツ。

『失われゆく仕事の図鑑』

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今は無い仕事や、無くなりそうな仕事の図説。当時の写真や思い出話が色々と載っていて、一昔前の日本文化を知りたい人にお勧め。文章担当が数人いるせいで、文体が統一されてないのが難点。貴方の独り言じゃなくて、当時の日本の話が聞きたいんですけど… というものが稀にあった。(笑)

資本に頼らないシンプルライフのヒントが得られるかもしれない。例えば、冷蔵庫が無い時代は氷の冷気を使って食べ物を保存していた、とか。

個人的に気になった「失われゆく仕事」を、いくつかピックアップしてみた。

 

・名曲喫茶、流し

名曲喫茶は、客が好きなクラシックのレコードを持ちこんで、お店で流してもらい、それを客同士で聞きながら一息つける喫茶店。流しは、ギターなど楽器を持って飲み屋を巡り、即興で演奏してお金を貰う演奏家。

私は音楽を聴くのは好きなんだけど、日本の公共施設はうるさいと感じるときがある。どこに行っても、流行のBGMがガンガン流れているから。同じ曲ばかり一方的に聞かされることが当たり前になっているけど、ちょっと前まではこういうBGMもあったのだ。まあ、今でも都会から離れれば怖いくらい静かなんだけどさ。

 

・氷屋、アイスキャンデー売り、紙芝居屋、金魚売り、卵屋、etc

スーパーやコンビニが出来る前も、小間物屋などの何でも屋さんは存在したけれど、一種類に特化して狭い地域でちょっとずつ商売する物売りも、たくさん紹介されていた。卵屋なんて、屋台に卵がドンと積まれてて、客はそこからカゴなどに入れて持って帰ってたらしい。誰かが卵の台にぶつかったり引っくり返したりしたら、どうしていたのだろうか。

現在もネットが発達したり都市集中が起こっているので、アイスで有名な店も繁盛するし、こだわり卵の全国通販も可能だという意味では、これらの職業は生き残っているといえる。氷屋だって、かき氷がブームになったしね。もっとも、昔の氷屋は冷やすための氷を売っていたみたいだけれど。

 

・自動販売機

自動販売機自体は現役だけど、一昔前はうどんやエロ本も売っていて、色んな食べ物や飲み物を売る自動販売機が集まったレストランもあったらしい。

コロナで人間同士の接触が制限されているので、かつての自動販売機を復活させて、一旗揚げる人間が現れるのかもしれない。人件費削減にもなるしね。

 

・修理屋

傘の修理屋とか。私は不器用なので、こういう手仕事が出来る人は羨ましい。

ただ世の中は、安くてモロいものや、メーカー以外は修理できない品物が増えてきているので、生き残るのは大変そう。

 

・売血

「ばいけつ」と読む。文字通り、自分の血を売ること。献血の前身なので仕事とは違うけど、専業にする廃人もいたらしい。そういう人は1か月に何十回も血を抜いたせいで病気になって入院して、文字通りの廃人になったり。

売血は民間がやっていたが、そういう廃人から採った血は質が悪いので問題になったことから国の事業となり、売血は「献血」というボランティアになった。昔はカネが関与したけど、現在は善意で成り立っている、珍しい仕事(?)ともいえる。

 

・キーパンチャー

いわゆる「データ入力」の前身で、タイピング用の機械を使って、ひたすら文字を打つ仕事。女性の仕事だった。タイピングの音が響く室内でひたすら機械を打つ作業は過酷で、自分自身が鬱になって自殺する人まで出てきて、社会問題化したらしい。

まあ、これは現在も変わらないか。

 

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