セミリタイアするまで非正規

正社員になれないことが分かった三十代。労働者のままでは死にかねないので、非正規のままセミリタイアを目指している、色んな意味で駄目なヤツ。

「転売」は特別なビジネスじゃないんだよ、と言いたいだけ

年末ということで、ヤフオクに色々と出品している。

何個か売れてほぼ発送も終わっているんだけど、一つだけ落札者から連絡が来ない品物がある。

またか、ってかんじだ。転売屋だろう、これまでにも何回かあった。

転売屋ってなんぞや? という方のために説明すると。まず転売屋がヤフオクでモノを落札した後、ヤフオクとは別の場所で、落札したモノを落札した金額よりも高い価格で売る。そこで売れれば素直に代金を支払ってモノを受け取り、そのまま買ってくれた人へ転送するという仕組み。当然、転売先で売れなければ支払いもしない、連絡すらしない、知らん顔である。ヤフオクでは「非常に悪い評価」を付けられて取引を中止させられるが、転売屋自身が欲しいモノじゃないから痛くも痒くもない。「非常に悪い評価」が溜まってヤフオクでの購入が難しくなったらアカウントを抹消し、別のアカウントを作って同じことを繰り返す。こんな転売方法が流行っているので、これからヤフオクを始める人は覚えておくと良いでしょう。いわゆる無在庫販売の亜種。

このような購入者に迷惑をかける転売が流行ってしまったせいで、「転売」という行為そのものに対して評価が下がってしまっているのが、とても悲しい。私自身も転売で小銭を稼ぐことがある。但し、「誰にも迷惑をかけない」を大前提としている…というと大袈裟だけど、こんなのは当たり前田のクラッカーであって、わざわざ書くようなことじゃない、只の常識である。んだけど、↑のような経緯で他人に転売について語るときには「誰にも迷惑をかけない」と枕詞のように入れざるを得ない。

そもそも、転売を始めたきっかけはコレクションのトレーディングカードがだぶついてしまい、捨てるのも勿体なかったのでヤフオクで売り始めたのがきっかけだった。当初は小遣い稼ぎ感覚だったけど、10年近く前のヤフオクでは、落札後のやり取りは直接メッセージを投げ合っていたので、出品者と落札者の距離が今よりも近かかった。すると、いるんですよ。「探していました、ありがとう」と言ってくれる落札者が。自分にとって不要なものが、余所の人の元できちんと使ってもらえる。この仕組みに、私はすっかりハマってしまった。ある程度のお小遣いも稼げるしね。

そんなこんなでバイト先にもリサイクルショップを選んで中古業界に身を置いているわけだけど、ここ数年の転売ビジネスの発達は目覚ましいものです。ハイ、それは間違いありません。そして現在のヤフオクは、かつての不用品を売りたい人&それらを安値で譲ってもらいたい人、という構図から、不用品を売りたい人&それらを安値で譲ってもらいたい人+不用品を転売したい人へと変化しており、「安値で譲ってもらいたい人」が閉め出されつつある。これに対して是非を論じる気はないけど、もしも10年前の私が2018年にヤフオクを始めていたら、「探していました、ありがとう」と言ってもらえるる機会はほぼ無かったし、中古や転売の世界に興味を持つこともなかったかもしれない。ヤフオク・中古業界・転売の世界は、何処へ向かっているんだろうか。いつか転売を語る際に「誰にも迷惑をかけない」ではなく、「誰かの役に立ってる」と、堂々と言えるようになれば良い。ごく当たり前の仕組みなんだし。