セミリタイアするまで非正規

正社員になれないことが分かった三十代。労働者のままでは死にかねないので、非正規のままセミリタイアを目指している、色んな意味で駄目なヤツ。

趣味を否定する趣味人の思考が分からない

先日、『マツコの知らない世界』のスノードーム&車内販売の回を見た。見たんだけど、スノードーム好きとして招かれていた人が強烈に印象に残っている、悪い意味で。

その人は、元々は怪獣が好きで、そこからスノードーム好きへ転身したらしいのだが、とにかく怪獣好きだった過去の自分を卑下しまくる。だから、本人は怪獣好きを侮蔑するつもりはなく、ただひたすら、過去の自分が嫌いなだけなんだろうと思う。それは分かる。分かるんだけど、番組の途中で「怪獣好きだった過去の自分」と、「スノードーム好きに変身した現在の自分」をわざわざ比較し、あまつさえ、締めには過去の自分に対して「今のお前は間違っている」というようなメッセージまで述べる、しかも割と長い。全国オンエアで、ここまでする必要はあったのだろうか。

 

とりあえず、番組の途中にあった過去と現在の自分比較を見て欲しい。

Tverさん、画像お借りしました)

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「趣味を理解されない」「異性に嫌われる」「雑誌に依存」「寝不足&体調不良」は、全部怪獣が趣味だったことが原因なんだそうだ。怪獣にハマっていた頃の自分、ではなくて 「怪獣の」せいにしている。これ、現在進行形で怪獣が趣味の人が聞いたら、どう思うだろうね? 

また、スノードームのおかげで得られたらしい「海外に友人」「恋愛成就」「オシャレ雑誌に掲載」も、ちょっとマズイでしょう。これ自体はOKなんだよ、これだけだったら「ああ、スノードームで人生変えた人がいるんだなあ、さすが『マツコの知らない世界』のゲストは変人面白い人が多いなあ」で終わりなんだけど、怪獣趣味を盛大にディスって、かーらーのー賞賛になっているのがマズイ。他人の趣味嗜好を攻撃する人間が、別の趣味を賞賛していたらどう思われるか? 下手すると「この人と同類(今回はスノードームが好きな人)の人間は、同じように考えるものなのか?」と勘違いされてもおかしくない。そうなると、スノードーム好きは「外国が好きで」「恋愛にご熱心で」「オシャレ(笑)雑誌に夢中」と要らぬ偏見が生じる。多様な趣味を紹介する番組が、偏見の起爆剤になるなんて致命的だ。大体オシャレ雑誌って… タイトルを出せない理由でもあるんだろうか。あ、朝5時起きは非常に良いことだと思いマス。

ディープな趣味人を招く番組で、あろうことかディープな趣味そのものを否定する趣味人をゲストにしてしまったことが何よりの問題なんである。怪獣が趣味の人はもちろん、スノードームが趣味の人も嫌な気分にさせられるなんて、番組の趣旨が崩壊している。そもそも、制作中に「これ不味くない?」という意見は出なかったんだろうか? シーンカットとかで誤魔化せなかったんだろうか? せめて、最後のメッセージのシーンだけでも。

 

ちなみにマツコさんは、「過去の(あなたの)方が好きよ?」「体調不良は怪獣のせいじゃないですよね?」ときちんとフォローされています。ただ、コメントしづらそうな場面がいつもよりも多かったです。少なくとも私はそう思いました。