仕事中、30分という短時間で、同じ人から「マスクを出品したい」という内容で3回も電話がかかってきた。転売ヤーだろう。同じような業者に見境なく電話を掛けていたらしく、1回目で社員さんが丁寧にお断りしていたにもかかわらず、2回目も3回目も全く同じことを聞かれたらしい。行動が異常で少々怖い。騙されて掴まされたんだろうか。それともお金がなくて思考が鈍っているのか。
いずれにせよ、断るのは当然だ。病院でもマスクが不足しているというのに、ぜんそくなのにマスクを使えない人がいるのに、金のために医療用品を利用するなんて。しかも、自分で出品するのではなく、他人に泥を被せるようなかたちで。こういう人間がいるから、転売の印象が悪くなる。
転売というのは商売の基本であるはずなんだけれど、日本の金稼ぎ忌避思考も手伝ってか元々印象が良くない言葉だったのに、ここ数年の転売ヤーのご活躍で更にイメージが悪くなっている。私はトレーディングカードを資産と趣味用に集めていて、大量セットを買って不要なカードを流したり、限定品を買って寝かせたりしているのだけれど、いい顔をされないことがあった。まあ、その人は資産形成という概念が皆無だったので、私の行動が趣味だけでなく自分の将来を守るためだということが理解できていなかったみたい。
とにかく本来は商売の基本であり、資産形成の手段の一つでもある転売が、イメージダウンの一途なのはやるせない。あまり娯楽にカネをかけられない貧乏人にはピッタリなんだけど、マスクの買い占めをやっているのも恐らくはカネ（＝余裕）のない人たちなんだろうと思うと、ああ、やるせない。さすがに金持ちはマスクの転売なんて、やってないですよねえ？
