『人間使い捨て国家』 ブラック雇用のカラクリ紹介本
出版:2019年12月
著者:明石順平さん ― 労働事件を専門とする弁護士。ブラック企業被害対策弁護団の事務局長。『アベノミクスによろしく』の著者でもある。
日本国内の労働環境について、労働法・実例・政治関係(主に自民党)の観点から解説。自民党や経団連に関しては少々攻撃的で、文章も固めだけれど、専門家特有の読みづらさはない。
主な目次は、
・固定残業代 ―ただ、名前を変えているだけのインチキ
・コンビニ ―現代の小作農
・外国人労働者 ―現代の奴隷労働
・公務員 ―公営ブラック企業
と、なかなか刺激的な見出しになっており、興味がある労働環境の項目だけをつまみ読みすることもできる。この他、労働環境を取りまく法律や、自民党と財界の関係についても書かれている。
私のようにブラック企業で働いたことがない人間でも、専門家の法解釈や実際の裁判例を知ることで、身を守るために役立つ一冊。ブラック企業、というか現在の日本の雇用契約に関する裏事情とかカラクリが読めて面白い。
ただ、弁護士が関わるレベルの事例ばかり紹介されているので、実際にブラックな現場で働いている人は参考になると思うけど、そうでない人は真に受け過ぎると働きたくなくなるかもしれないので注意。
せっかくなので、過去に起こった「人間使い捨て国家」的なニュース記事も併せて調べてみた。
www.asahi.comコンビニ関係はファミリーマートだけだと不公平なので、去年フランチャイズで話題になったセブンイレブンも(笑)。 また、最後の朝日新聞は有料記事だけど、概要は無料で読める。
「公務員 過労死」「コンビニ 裁判」などで検索したら大量に出てきたので、ニュースらしい事件や大きく話題になったものを中心に取り上げてみた。ソース元はバラバラだけど、ブラック企業関連のニュースは、もはや日常と言ってもいい。働きたくない。
著者も在籍している弁護団のHPはこちら。
ちなみに、Na-tu-Xaが本書を読んで最も印象に残ったのは…
韓国人働き過ぎ。