意外と、家事労働は嫌いではないかもしれない
実家の大掃除に、自分の持ち物の整理整頓に、お節の準備、家事手伝いをしていたら、
あっという間に大晦日。
今年の中で、最も早く過ぎ去った1か月だった。
というか、今年は12月を除いて時間の経過が遅かった。
1月から11月の派遣労働者期間の時間の過ぎ方は、例えるならば、毎日空っぽの箱を延々と開け続けて、たまーにサプライズのように入っている食べ物で何とか飢えと疲れを癒して、また延々と箱を開け続けて… といった感じだろうか。
カネのためと覚悟を決めていたとはいえ、非正規雇われ労働は、やりがいが少なすぎて辛い。
その点、今は自分と家族のためだけに時間と労力を使えるので、忙しいし無給でもそこまで辛くは無い。まあ、家族とソリや意見が合わないときは、独り暮らしが恋しくなるけど。
ところで、私は意外と家事労働が気に入っている。雇われ労働と違って、時間配分と作業内容を全て自分で決められるからだ。午前中に完璧に終わらせれば、午後からは好きなことをしても構わない。作業中に暇な時間が出来たら、息抜きしても構わない。体調が優れなければ、無理して労働しなくても構わない。
効率化に関心のない人間に合わせて、ダラダラ作業させられることもない。新しい効率化を試すために、わざわざ社内の人間に確認して返事が来るまでボケーッと待っている必要もない。何て素晴らしい!どうして、家事労働は巷では人気が無いのか、不思議でたまらない。勉強や慣れによる自己成長を、ここまで活かしやすい労働って、他にある? 少なくとも、雇われ労働では難しいと思う。
もちろん、これに育児が加わると話は違う。育児は雇われ労働と同じく、自分以外の人間(=子供、結婚相手の家族、子供の友人の家族、etc)に合わせなければならないからだ。
そして、あまり日本で家事労働の人気が無いもう一つの理由が、そもそも日本の義務教育が家事労働者向けになっていないことだと思う。
家事労働は、自分の裁量でいくらでも効率化を図れる点が面白いのだけれど、それを活かせるのは能動的な人間だ。家の中の問題点を自分で見つけて、そのためには何を勉強して、どう活かせばいいのかを、一人で考えまくって実行して達成してイエーイ!となれる性格の人こそ、家事労働は向いている。
しかし、日本の義務教育は雇われ労働者を養成することが目的になっているので、どちらかというと受動的な性格になるような教育を行う。何をやるのか、何のためにやるのか、どうやってやるのか、誰とやるのか。全て、上の人間(=教師)が決めてくれる。会社と全く同じだ。
一人で試行錯誤して自己満足が基本の家事労働と、組織の考えに従って周りの人間と協力する雇われ労働では、向いている人間の性格が全く異なる。私みたいに空気が読めずボッチで好き勝手に行動するのが得意な人間こそ、家事労働に向いている!(但し、子育ては無理!)
ということに、この1か月で気が付いた。
意外とありかもなあ、(子供を持たない)専業主婦。