iDeCo(個人型確定拠出年金)を解約した話
iDeCo(個人型確定拠出年金)を解約し、脱退一時金を受け取った。
理由は以下の通り。
- 自分の働き方・人生観と合っていなかった
- NISAが強化されるので、資産形成はそちらで十分だと思った
- 資産を自由に動かせないのが不安になった
iDeCoは、年金だけじゃ暮らしていけない人々への救済策
あまりいないと思うけど、iDeCoを知らない人のために説明を。
iDeCoは国(厚労省)による個人型確定拠出年金制度で、利用者は大きな税制優遇措置が受けられる点を特徴とする。狙いは、厚生年金に加入できない(自営業者など)、加入はできるが受け取れる金額が少ない(非正規労働者など)人たちの老後の資産形成を促すことで、恐らくは社会保障費の膨張を抑えることが狙いだと思われる。
要するに、年金だけじゃ暮らしていけないことが予想される人々への、国による救済策である。(但し、あくまで個人投資なので損しても自己責任w)
iDeCoは、同じ場所で長く働き続けないと使いづらい
で、このiDeCoの利用には、とうぜん手続きが必要になる。利用開始の手続きはそこまで手こずらない。
問題は年金の加入状況が変化するときで、転職や退職や再就職をするたびに年金の加入状況の変更を申告する書類を金融機関に提出しなければならず、これを忘れると拠出を止められ拠出金は高い手数料付きで返金されてしまう。また、就職したら就職先企業にも書類を書いてもらい、これも同じく金融機関に提出しなければならない。
そう。すごく面倒くさい!!!
自営業者や正社員、あるいは非正規でも同じ場所で何十年も働き続けるなら良いけど、私のように働く場所をコロコロ変える人間には使いづらいのである。
ライフスタイルの変化・多様化に対応した制度のように扱われているけど、実際には、家業を継いだり定年まで一つの企業に献身という昔ながらの働き方が想定されているので、一カ所で長く働き続けるのが苦手・困難だけど加入したいという人はよく考えた方がいい。
2025年からNISAが強化され、セミリタイアに十分な金額が非課税で運用可能になる
2025年から、現行のNISA制度が強化されることになり、1800万円までの資産買付が無期限で非課税になる。(独身が)セミリタイアするには十分な金額だ。
NISA口座は一般的な証券口座と同じように使用できるので、iDeCoのように面倒な手続きは必要ない。だったら、NISAだけでいいやと思った。
資産を自由に動かせない
iDeCoは資産を動かすのに1か月くらい時間がかかる。コロナウイルスやウクライナ侵攻のような相場の急変が起こったとき、すぐに安全地帯へ逃がすことができない。まだ何十年も積み立てるならともかく、例えばあと5年で年金が始まるようなタイミングで、相場が急変したのに手も足も出ないような状況は困る。
また、iDeCoは国による制度だという点も考慮しなければならない。個人型投資とはいえ、国が運営しているのだから国民年金と同じデメリットも覚悟するべきである。何が言いたいかというと、国民年金の制度変更と同じように、iDeCoの制度変更にも注意しなきゃダメだよね、ということだ。
iDeCo解約の条件は厳しい
iDeCoの解約は誰でもできるわけではない。というか、出来ない人の方が多い。
2022年12月現在では、国民年金の納付猶予や免除などを認めてもらうことでiDeCoの加入資格を喪失してから2年以内に、60歳未満で、企業型確定拠出年金に加入しておらず、日本国籍を有して日本国内に住所があり、障害給付金を受給しておらず、iDeCoに拠出した期間が5年以内か積立金額が25万円以下ならば、iDeCoを解約できる。
特に注意したいのが最後の「iDeCoに拠出していた期間が5年以内か積立金額が25万円以下」という条件で、iDeCoに5年間と1か月積み立てた(正確には、iDeCoへの拠出を61回行った)時点で解約は実質不可能になる。残る手段は、障害給付金として受け取るか、死んで遺族に一時金として渡すか、収入が無い状態で積立金額を25万円以下に減らすという仁義なき戦いに持ち込むかだ。
iDeCoを解約しました
ということで iDeCoの解約を決め、無事に脱退一時金を受け取ることができた。
残念ながら私には合わなかったけど、この制度で少しでも老後を平和に過ごせる人が増えればいいなと願う。